今日のTLT学習 「で」の識別ルール(中学国語)
問題
(1)例文の「で」と意味・用法が同じものを、ア~オから1つ選びなさい。(徳島県)
甘い蜜(みつ)の香りを放ってツバキやモモの花が咲きはじめると、現金なもので客足が遠ざかった。
ア あと一週間で、子どもたちの作品が完成する。
イ 山道を急いで、日が暮れる前に帰ってきた。
ウ スキーに行ってひいた風邪で、三日間も仕事を休んだ。
エ これは弟の傘で、ぼくのは学校に置いてある。
オ 話し合いは順調に進んで、その日のうちに結論が出た。
(2)次の下線部の「で」は、下のどの意味・用法にあてはまりますか。番号で答えなさい。
・彼女はいつもほがらかで明るい。
・よく文章を読んでいる。
・台風で木が倒れた。
・それが真実の姿である。
① 助詞(格助詞)
② 助詞(接続助詞)
③ 形容動詞の活用語尾
④ 助動詞
(3)次の下線部の「で」は、「格助詞・接続助詞・形容動詞の活用語尾・助動詞」のうち、どれにあてはまりますか。
・とても静かで良い旅館だ。
・学校へは徒歩で行く。
・イルカは魚ではない。
・桜がほころんできた。
解答
(1)エ
「で」には大きく分けて、次の3種類があります。
①助詞(格助詞・接続助詞)
②形容動詞の活用語尾
③助動詞
例文とエは助動詞です。
アは格助詞で期間を示す。イは接続助詞。ウは格助詞で原因を示す。オは接続助詞。
(2)
③
「で」が「に」「な」と言いかえられるのは、形容動詞の活用語尾です。
「ほがらかで」は「ほがらかな」「ほがらかに」と言いかえられるので、助動詞ではなく、形容動詞の活用語尾です。
②
「動詞+で」は、接続助詞です。
読ん(動詞「読む」の連用形「読み」の音便)+で」で、接続助詞です。
①
「名詞+で」で連用修飾語になっているのは、格助詞です。
「台風(名詞)+で」が、「倒れた」にかかっています。(連用修飾)したがって、格助詞です。
④
「である」の「で」は、助動詞です。
「姿だ」と言いかえられますが、「姿に」「姿な」とは言えません。したがって、助動詞です。
(3)
形容動詞の活用語尾
「で」が「に」「な」と言いかえられるのは、形容動詞の活用語尾です。
「静かで」は「静かな」「静かに」と言いかえられるので、助動詞ではなく、形容動詞の活用語尾です。
格助詞
「名詞+で」で連用修飾語になっているのは、格助詞です。
「徒歩(名詞)+で」が、「行く」にかかっています。(連用修飾)したがって、格助詞です。
助動詞
「である」と同じく「ではない」の「で」も、助動詞です。
「魚だ」と言いかえられますが、「魚に」「魚な」とは言えません。したがって、助動詞です。
接続助詞
「動詞+で」は、接続助詞です。
「ほころん(動詞「ほころぶ」の連用形「ほころび」の音便)+で」で、接続助詞です。
解説
●「で」の識別ルールを覚えよう。
★助詞
1.格助詞の「で」
◇主として名詞につき、連用修飾語となる。
①手段・材料を示す 【例】粘土で作る。
②場所を示す 【例】海で泳いだ。
③原因・理由を示す 【例】病気で休んだ。
④状態を示す 【例】二人で行く。
⑤期間・限定を示す 【例】三日間で終える。
2.接続助詞の「で」
◇動詞につき、連用修飾語となる。
【例】くじらが泳いでいる。
★形容動詞の活用語尾
◇「で」を「だ」「に」「な」の、いずれにも置きかえられる。
【例】素直で物わかりのいい人だ。
★助動詞
◇「で」を「だ」に置きかえられるが、「に」「な」に置きかえられない。
【例】兄は政治家で有能な男だ。
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